ZX-12R燃料系メンテナンス  12RといえばKawasakiの数ある車種の中でとても特徴的といえる車両で、2000年に新世代フラッグシップとしてデビューし、バックボーン型モノコックフレームや、航空部門の技術者参加によるエアロダイナミクスを踏まえたカウリングデザイン、2軸2次バランサーを実装しリジットマウントされたエンジン、そしてそこからアウトプットされるパワー。その特異な性能や特性に惚れ込んだライダーたちを中心に話題となりながら、2006年に生産終了しました。  今回はもうすぐ初代から20年を迎えようとしているハイパワーバイクの欠かせないメンテナンスです。  樹脂パーツは経年による劣化が顕著に現れます。  それは車両の保管や日々のメンテナンスによって変わってきますが、どんなメンテナンスをしていても劣化を防ぐことはできません。  劣化してもある程度大丈夫なパーツもありますが、気づかないところで劣化していて致命的なことになってしまうパーツもあります。    その、代表的なパーツが。。。燃料系ホースです。  以前「ZX-9R E型 整備」<http://www.sanco-k.com/index.php?p=&d=blog&c=&type=article&art_id=55>の記事の後半でもとりあげましたが、樹脂ホースの劣化はヒビ割れがいちばん発生指定て、その様子は外観からではなかなか見つけることができません。  ZX-9Rの写真の様に、ホースの縦方向(流れる方向)に向かってヒビ割れがはいってくると、締め付けていても振動や動きによってヒビ割れを伝って燃料が漏れ出してきてしまいます。  それを放置したままにして、それに引火してしまうと、、、  そうならないためにも、車両の年式に応じた劣化が予想パーツのメンテナンスは重要になってきます。    このような、それ相応の年式になろうとしているZX-12Rのフューエルホースの交換作業の一幕です。  Kawasakiの技術力の挑戦とも言えるのでしょうか、バックボーン型モノコックフレームに直付けされたエンジン。必然的にメンテナンスに必要なクリアランスはゼロに近い状態です。  カウルを外して手を差し入れて、、、なんて作業は遠くの彼方。    DSCN7153.JPG    この様にエンジンを半おろし状態にしなければ、十分な作業クリアランスをトロクトができません。  横着してエンジンをずらさずに無理やり交換作業をすると、ほぼ間違いなく交換する新品のホースを痛めてしまいます。(実証済みです)  そうなっては、フューエルホースを交換する意味がないので、横着はせず、丁寧に作業をできる様にするため、エンジンをずらすのですが、、、    肝心なエンジンをずらすためには、チェーンラインを外さないといけません。  チェーンラインを外すためには、リアホイールを外さないとフリーになりません。  すると、こうなりました。  DSCN7155.JPG  ほぼ全バラに近い状態です。。。    そして、そのフューエルラインですがスタートはシート下。  DSCN7154.JPG    そこからフレームの隙間を縫って配管されています。  DSCN7156.JPG  DSCN7158.JPG  エンジンなどいろいろ外してこの状態です。  経年による劣化での燃料漏れから車両が炎上しないための交換ですので、丁寧な作業でしっかりと配管しないと意味がなくなってしまいます。  DSCN7160.JPG  DSCN7161.JPG    そして、ここまでバラしたのですから、スロットルボディーのチェックも行いました。  DSCN7159.JPG  ZX-12Rのパワーの源泉である巨大なスロットルボディー。46mmの大口径になっています。        年式が古くなればなるほど、純正パーツが手に入らなくなってしまったりもするので、気をつけてください。 ヒューエルホース交換 スロットルボディーメンテナンス ホース交換時にはエンジン半降ろし状態にし クリアランス確保 エンジンをずらさず無理やり交換すると ほぼホースを痛めます(実証済み,,,) リヤホイルを外しチェーンラインをフリーにしないとエンジンがずれない